バカロレア教育とスイスのボーディングスクール

スイスには150年近い歴史を持つルロゼ学院など多くのボーディングスクールが存在し、輝かしい実績を誇っていますが、その教育プログラムには国際バカロレアと呼ばれるものが採用されています。国際バカロレアは1968年にスイスで考案された教育プログラムで、現在では世界147カ国で、私立を中心に4300校で実施されており、日本でも35校程度が導入しています。全人教育と呼ばれる特徴を持つバカロレア教育は、グローバル世界に適応するため、解決の難しい課題に対する回答力を身につけるための統合的手法をトレーニングすることを教育理念の第一に据えています。これは、一つの問題に一つの回答が用意されている問題などではなく、回答が複数存在する問題に対してどのように対処すべきかを考えることを教育するということを意味します。

また、バカロレア教育では母国語を尊重しつつもバイリンガル教育を徹底しており、これと先に述べた統合的な回答力を身につけることで、バカロレア教育は世界上位の大学などに進学するためのプラットフォーム的な機能を持つのです。スイスで考案されたこの教育プログラムは当然、スイス国内で考案直後から広まりスイス国内のボーディングスクールで採用されました。このため、スイスのボーディングスクールでは他国のそれよりも多言語が用いられ、それらの利用を通して様々な国の思考や文化を生徒が理解することが重要視されるほか、授業のほとんどをディベート形式としています。

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